2016年1月 No.366 現実味を帯びてきた歯科再生治療
先日、永久歯への生え代わりのために乳歯を抜歯した時、抜去歯をケースに入れてお持ち帰りくださいと言ったら、どうぞ乳歯歯髄幹細胞として活用して下さいと言って下さった親御様が居られました。
乳歯歯髄幹細胞保存のポスターを見られたとの事なのですがそのためには事前に準備しておくことが結構たくさんあり、残念でしたが活用できませんでした。
もしも、同じようにご寄贈いただける方が居られましたら前もってお知らせいただければと思います。
昨年大橋小児歯科医院で3人のお子様が乳歯歯髄幹細胞を保存されました。
ご自分のための保存だったのですが、きちんと培養に成功し現在10年間の凍結保存状態にあります。
現在では未だ活用の用途はごく限られたものですが、将来どのような状況で役に立つか、変な感じですが少し夢が膨らみます。
歯髄幹細胞保存には①ご自身のための保存と、②歯髄幹細胞保存機構に寄贈する、2種類の方法があります。
①の場合はかなりの経費がかかりますが、②の寄贈の場合はもちろん費用はかかりません。
時代はどんどん変わっていきます。
歯科の治療に関しても、新しい治療法が開発され臨床試験が行われています。
下の図に示したように、自己歯髄幹細胞を用いた歯髄再生療法が動物実験で実現し、人間に対しての臨床試験に入っています。昔から歯の神経を抜くと言われた治療法から歯髄の再生が現実のものとなる日も近いと思います。
ー院長-