2016年10月 No.375 スポーツドリンクの脅威
先日、私の属している小児歯科の研究会で下に示したような写真を見せていただきました。
初診(男児)4歳6ヵ月から14歳6ヵ月(中2)になるまで、治療を要する歯もなく定期健診を続けてきた患者だったのですが、やや前歯部の歯と歯肉の境目辺りの白濁が気になり、注意を促していたという事です。
14歳11ヵ月(中3)での健診で左上前歯にむし歯ができて治療をし、再度今後の飲み物等の飲み方などの注意をして帰しました。
その後3年間、予約時間などが合わず健診が中断したとのことです。
その患者が昨年9月、3年半近く空けて再来院しました(18歳4か月)。高校3年間は野球部でコーチから勧められポカリスウェットを倍に薄めて、1リットル以上を毎日飲み続けていたのです。右上の写真が14歳11か月の状態で、歯頚部が白濁し、むし歯ができ始めています。下の写真が18歳4か月の状態で、むし歯は歯列全体に進行しています。
虫歯予防に熱心だったお母さんも中高生にもなると、会話もほとんどできない状態で、全く気が付いていなかったようです。私の医院でもこの二の舞を踏むのではないかと思われる場合がありますが、なかなか理解してもらえず苦労する症例です。
ー院長-