2016年6月 No.371 ローソクの火を吹いて消せますか?
先日小児歯科の集まりの会議に出席した時のことです。
会議の合間で、隣の先生と雑談していた時、持参していたノートパソコンを開いて、見てみて面白い動画が投稿されているので。ということで、見せてもらいました。
6本ほどのローソクが点いていたので、小学校へ行く前くらいの子どもがお誕生日をお祝いするケーキの火を口で吹いて消すところを映し出していたのです。
お父さんがしきりに吹き消すように声をかけ、子どもが息をかけているのですがハ―ハーと から息が漏れるだけで、炎が少し揺らぐ程度で、勢いよく吹き消すには程遠い状態です。
この様子をお父さんを筆頭に家族みんなで面白がっているのです。
本当はとんでもないことなのですが、この現象がどうして起きているのかを理解しないでいるのに驚かされました。もちろん家族が写した面白い映像として投稿されているので顔を隠すこともなく堂々と映し出しているのです。
本当はプライバシーの侵害だと訴えられても仕方がない代物なのです。
実はこの子は上の唇をすぼめて、口の中に息をため一気に噴き出すことができないので、ローソクの火を消せないのです。ここまで極端に上唇をすぼめられない子は珍しいのですが、最近の子どもによく見られる傾向で、私たち小児歯科医仲間でたびたび問題になっているのです。
最近の子どもは食べ物が柔らかく口の周りの筋肉をあまり使わなくなって来ている、風船を膨らませるなど口の筋肉を使う遊びが少なくなっているなどが影響しているようです。お宅のお子さんはだいじょうぶですか