2017年11月 No.388 子どもで要介護予備軍入りとは!!
先日の日本小児歯科学会の特別講演の演題が「姿勢と子どもロコモ」でした。
ロコモとは,ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の略称で、運動器の障害により移動機能が低下し、進行すると要介護になる危険性の高い状態をいいます。これまで高齢者の運動不足などの生活不活発病などと関係して話題になって来ましたが、近年子どもの運動不足による運動機能低下が問題になって来ているのです。
埼玉県学校運動器健診で、身体を動かす基本動作である①片脚でしっかり立つ、②上肢を垂直に挙げる、③しゃがみ込む、④体前屈する、これら4項目のうち一つでもできない子どもが4割強もいた。身体バランスや柔軟性及び反射神経(危険回避能力)の低下は、怪我や故障を誘発しやすく、これを運動器機能不全としたのです。
また小学生の姿勢についてのアンケート調査では、「姿勢が悪い、と注意されたことがありますか?に対し、全体で72.1%が該当し、身体の不調の有無では、「疲れを感じる時がある」が75.7%で、姿勢と身体の状態の関係が浮き彫りになったというのです。
超便利社会、遊び場のなさが子どもの体に異変をもたらす
車社会で歩かなくなり、足首や膝・股関節を使わなくなり、下肢の運動器機能が低下する。トイレが和式から洋式に変わり手足の関節を使わなくて済む。
遊び場がない環境が子どもを外遊びから遠ざけスマホ・ゲームに走らせている。スマホ・ゲームの普及は子どもの姿勢にも大きな影響を及ぼす。
外遊びの減少、偏食など生活習慣の劣化は、先ず姿勢の崩れをきたす。次いで疲れやすさ、そして身体のかたさ・バランスの悪さなどの運動器機能不全を引き起こし、結果、怪我を誘発しやすくなるのだというのです。
姿勢と心身の状態
昔に比べ、今の子どもたちはゲーム等の影響で、姿勢が崩れる傾向にある。姿勢の崩れは運動器機能にも影響し、身のこなしが悪くなる。姿勢の悪さが子どもの体に大きな負荷となっているようです。
ロコモの啓発・予防には今や子どもの頃からの、偏食対策、姿勢チェック・ストレッチなど運動器を支えるシステム構築が求められます。