2017年12月 No.389 モンゴルではむし歯が酷いらしい!!
先日大阪の小児歯科専門医の研修会にスタッフみんなと出席しました。
演題の中に、20年以上前からモンゴルの子どもたちに口腔衛生の啓発とむし歯の子どもの治療ができる医療体制を築くお手伝いをするためのボランティア活動の報告がありました
毎年夏に10日間程現地に赴き活動をして来ました。これまでにいくつかの小児歯科の診療施設を作り、小児の治療ができる歯科医とそのスタッフを養成するために日本への留学のお世話をしたり、診療台をはじめ様々な器械の整備ができる人材の育成など現地の人で自立していけるための活動をして来たのです。
まともな歯ブラシもないので大阪の下町の歯ブラシ工場から日本では古くなった歯ブラシ製造機器を譲り受け現地で歯ブラシ作りを始めたりもしたのでした。
20数年前、高石市の休日診療所の歯科診療室の診療台が古くなって買い替えた時、倉庫に保管していたものを当時の歯科医師会会長が話をつけて寄贈したことがありましたが、昔式の器械で今のコンピューター制御ではなかったので今でもウランバートルで頑張っているという事でした。
今回モンゴルの生活などについても報告がありました。資本主義体制になり立ち遅れていた社会インフラの整備に伴い人々の長年続いてきた遊牧民族の生活も新しい時代へと変化し、食生活も良いも悪いも現代化、西洋化して来たのです。
日本では30数年前に子どものむし歯が本当に酷くて社会問題にまでなった経験があり、これから発展する国には同じような事を繰り返して欲しくなかったのですが、今回現在のモンゴルの子どもたちの口腔内を写したスライドを見て愕然としました。子どもの顔は日本人と同じルーツのモンゴロイドであまり見分けがつかないのですが、むし歯だらけ,まさに私が歯科医になった40年前の多くの日本人の子どもとそっくりではありませんか。
同じような社会状況になればむし歯も同じようにできる。人間あまり進歩していないのではと一瞬思わざるを得ませんでした。