2017年3月 No.380 2歳児口腔健診に行ってきました
先日高石市の2歳児歯科健診に出務しました。
保健センターの会場に着けば、子どもたちの声が賑やかに響き渡っていました。
2歳児といえば乳歯列の上下顎一番奥の左右1本が生え始める前の状態が思い浮かびます。
暫くすると小児科の診察を済ませた子どもが番号札をもって部屋に入ってきました。 こちらは、自分の椅子を整え、対面する椅子と無影灯(お口を照らす照明灯)を調整します。そして健診用のゴム手袋を着けます。
検診者数は40人足らずで、その昔はこの年齢でもむし歯を持っている子どもが結構いたのですが、最近では殆どいません。実際今回の健診ではむし歯の子は2人でした。粉ミルクに蔗糖が入っていたころは1歳児でもむし歯ができている子がかなりいたものです。むし歯を持つ2人に共通することは、2歳児で未だおっぱいを飲んでいることでした。その上グミなど甘いおやつも食べていて、お母さんも気になっていたという事で、むし歯の原因にはおおいに心当たりがあるという事で反省していましたが、さてどのように対処なさるのでしょうか?
むし歯は減ったものの、歯の形成不全と言って、歯の頭の部分(歯冠部)の一部分あるいはかなりの部分に白濁ないしは欠損がみられるものや歯そのものが足りないもの、あるいは2本がくっ付いた癒合歯などがみられるのです。
一方、指吸いが原因と思われる不正咬合なども目につきます。本来人間の乳歯列には霊長空隙といった隙間があるのですが、最近ではない子の方が多いようです。そのため、逆にこの子はスキッ歯で歯並びが心配ですと訴える親御さんがいる始末です。本来、子どもの歯列には空隙が十分なければ後から生えてくる大きな永久歯の場所が足りなくて歯列不正が起きるのです。