2018年12月 No.401 青年期における歯と口の健康
最近の子どもたちの口の中は、特にむし歯の問題は一昔前と比較して随分よくなってきていることはご存じだと思います。
各自治体では1歳半・3歳半の口腔健診は勿論、それ以上のサービスが実施されているのが殆どです。そして保育所、幼稚園、小・中・高校では学校歯科医がいて毎年口腔健診が義務付けられています。その上長年の努力の甲斐あって全国のほとんどの自治体で、500円程度の費用負担のあるところもありますが、実質義務教育終了まで子ども医療費無料化が図られています。
これら公的な健診は高校を卒業と同時に中断されてしまいます。企業などに就職すればそこでまた健診が実施される場合が多いのですが、結局本人、家族の努力次第という事になります。
せっかく高校までの口腔健診も大学、専門学校の期間に途絶えてしまうケースが多いのです。年齢も上がり親の監視下からも外れると同時に生活環境が変化する時期なのです。
これまでむし歯を作ってしまっても治療費をそれほど心配することもなく処置できたのに、それなりの費用が必要になります。
またこの年齢層こそ永久歯列が完成し、歯周病の原因菌が20歳代前半までに定着すると言われる重要な時期なのです。 この年齢層こそ歯周病予防対策の口腔健康習慣を身に着けたい時期なのです。歯肉の炎症が慢性化した状態こそ諸々の慢性炎症を伴う生活習慣病と共通の問題が隠されているのです。最近特に歯周病と糖尿病の関係がクローズアップされ、糖尿病専門医が糖尿病になりたくなかったら歯を磨きなさいというような本を書いているくらいです。
