2019年12月 No.413 子どもの近視進行には“太陽”が関係していた!
最近定期健診に来られた子が突然眼鏡を掛けてくる事が目立ちます。聞いてみると近視だというのです。暗いところで目を近づけて本を読んでいたから?スマホの見過ぎ?という事で話は済んで居たのですがそれだけではなさそうです。
先日NHKのあさイチで子供の近視についての放送があり興味深く見ました。
ウェスタンオーストラリア大学とシンガポール大学による共同研究グループが、シンガポールに住んでいる中国人とオ―ストラリアに住んでいる中国人を比較する研究を行いました。シンガポールは近視の人が急増している一方、オーストラリアは近視の子どもがとても少ないことがわかったのです。双方の決定的な違いは、「外にいる時間」です。オーストラリアでは平均して1日2時間くらい屋外で過ごしていましたが、シンガポールでは10~20分程度だったのです。
この研究以外にも、「屋外で太陽にあたる時間が長い環境のほうが近視は少ない」という報告がいくつかあるそうです。
その結果を踏まえ台湾、シンガポールなど多くの国で理科の授業を屋外の自然鑑賞などと工夫して屋外や木陰の1000ルクス以上の明るいところで1日2時間以上を確保しむし歯予防ではなく近視予防に学校全体で取り組み、効果を上げているという事でした。
日本ではむしろ子どもでも日焼けなどを嫌って紫外線対策を積極的に行っているのが現状のようですが、太陽の光の中の可視光線で「バイオレットライト」(紫の波長の光)に近視の予防効果があることが発見されたのです。 紫外線に当たるのは避けたいけれどそれに近い紫の可視光線の利点は受けたいという欲求はどのように叶えられるのでしょうか。