2019年3月 No.404 震災後肺炎に学ぶ口腔ケアの重要性
8年前の3月11日は東日本大震災発生の日です。今でもその爪痕が被災地の人たちを苦しめています。
先日「炎症でつながる口腔と全身」という演題で内科医の先生の講演を聞きました。
歯周病で歯の周り全体に深さ5ミリの炎症が起きている人は、その人の手の平と同じくらいの面積の出血炎症をもっていることになり、なおかつ歯周病菌に接触していることになるのです。
このような状態の人が災害に遭遇したら歯を磨くなどのお口のケアができなくなり、なおかつ体が弱ればたちまち誤嚥性肺炎の危険に晒され、命の危険が迫ります。実際気仙沼市では震災後肺炎(誤嚥性肺炎は一般の人には言葉が難しいのでこのように表現していました)で225名入院し、うち52名が死亡したという事です。介護施設の震災後肺炎死亡率は震災前は25%であったのですが震災後は45%に跳ね上がったのです。これとは別に施設の歯科の活躍により肺炎ゼロ・死亡ゼロという施設があったのです。
改めて、「震災が発生してからでは遅すぎる、平時から歯科定期通院とお口のお清めが必要、緊急避難袋には家族全員分の歯ブラシを!」の大切さが分かります。
皆さんのお宅でも緊急避難グッズを備えていると思いますがぜひとも家族全員の歯磨きセットを加えていただきたいと思います。 先日、保健所の防災に関する会議でも歯科医師会からの要望として歯ブラシを加えるよう要望したところです。