2020年10月 No.423 子どもの幸福度日本は最低水準というが?
ユニセフは9月3日先進・新興国38か国に住む子どもの幸福度で、日本は総合で20位だと報告しました。
身体的健康の分野では1位でしたが、学問などの能力を図る「スキル」では、習熟度は高いものの社会的な適応力では上位国に劣り27位でした。
一方、「精神的な幸福度」では、15歳時点での生活の満足度の低さ、自殺率の高さから算出した結果として37位となり最低レベルだったという事です。
『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』で日本でしたたかに生きる術を指南した著者・藤森かよこ氏(福山市立大学名誉教授)は次のように分析されています。
「 問題は、日本の子どもの「生の感覚の希薄さ」だ。日本の子どもは、学力も健康状態も悪くない。日本という国家の子供向け政策や環境も悪くはない。世界基準で見れば、そこそこ恵まれている。なのに、その恵まれた状況を最大限に活用し自分の人生を豊かに大きくしようとする意欲に欠けている。 自分を幸福にするのは自分の使命だと前提し、努力し人生に挑戦する姿勢が欠けている。自己確信に欠けている。 このような姿勢で生きていれば、虐められることが起きても、「他人を虐めるような馬鹿など相手にしない。もっといい環境を求める!」と積極的逃亡を実行する。「こいつらが、昇れないほどの高みに行く!」と思って猛勉強する。もしくは、虐めを排除できる手段を必死で考え実行する。自殺なんて、もってのほかだ。 日本の子どもの自己確信のなさと生きることへの意欲の希薄さは、日本の大人のそれの反映だろう。」このように述べ、矛先は大人へ向かってきます。「まずは、日本の大人が自分の人生の尊厳を考えなければならない。自分の人生を信じて挑まねばならない。」