2021年10月 No.435 「8020」から「生涯28」へ
皆さんは「8020運動」という標語を耳にし、おおよその中身をご存知だと思います。今から30年以上前、日本人の口の中はむし歯や歯周病で惨憺たるもので、80歳の高齢者の残存歯の数は治療済み、未処置歯を含めても6本弱という状態だったのです。人生80年時代を迎えるに際してせめて80歳で20歯は自分の歯を保ちたいものだと、日本歯科医師会、厚労省が標語を掲げキャンペーンを展開して来たのです。
自分の歯が20本あれば日常生活での咀嚼などで特別な支障はないのではという事だったのです。
8020運動という標語が斬新だったこともあり歯科医師会ほかの強力な取り組みが功を奏したのか国民の中に浸透され、当時は現実とあまりにも差が大きすぎる目標だという批判もあったのですが30年以上続けて来た現在、直近の歯科疾患実態調査で8020の達成者が国民の半数を超えたと報告されています。これほど成果が顕著に表れたものは珍しいと思われるのですが多くの国民、関係者の努力の賜物と思います。
近い将来大半の国民は8020を達成する勢いです。
日本口腔衛生学会ではいつまでもこの目標を抱き続けるのかと問いかけ、新しい口腔保健の目標を掲げようとの動きがあり、その目標が具体化してきました。
新しい標語は「生涯28」です。
人生100年時代を迎えるに際し一生涯一歯も失うことなく健全に機能することを目標に掲げたのです。 これまでの研究結果では「生涯28」を達成することにより良好な生命予後、全身疾患(認知症、心血管疾患、脳卒中)のリスク低下といった利益もたらされることを示唆しているといいます。さらに指数の維持は接触・嚥下機能の維持に重要であり、「生涯28」達成はオーラルフレイルを予防するうえでも重要であるとしている。
