2022年11月 No.448 ハチミツが甘いのはなぜ?
なんで花の蜜よりハチミツの方が甘いの?
先日診療所への通勤途中NHKのチコちゃんに叱られるの放送を聞いていたら「蜂蜜が甘いのはなぜ?」という問題が出たのです。普段から蜂蜜に興味があったので運転に気を付けながらじっくりと聴きました。
解説は玉川大学ミツバチ科学研究センターの佐々木哲彦教授です。
ミツバチには外で花の蜜を集める係と巣の中でハチミツを作る係に仕事分担されており、集め係は花から蜜をとると体内にある蜜専用の袋に保管してそれが満杯になると巣に帰還。巣に戻った集め係のハチは巣で待っている作り係のハチに口移しで花の蜜を受け渡しますが、この際にハチの唾液が蜜に混ざるのがポイント。
ミツバチの唾液はいわば魔法の液体で花の蜜の主成分であるショ糖(砂糖と同じ成分)が唾液中の酵素によって分解される事で果糖とブドウ糖に変化。
人間の味覚は果糖に強く反応するので元々の花の蜜よりも甘く感じるようになるわけです。
そしてブドウ糖がハチの唾液によって一部酸味のある物質に変わるのでハチミツに適度なフルーティーさを与えてあの独特の風味を生むという仕組みも。
この唾液による花の蜜の変化は完了するまでに2~3か月ほどかかるそうですが、分解し初めの頃の花の蜜の水分量は60%ほどと半分以上が水分ですが20%程度まで濃縮されて一層甘くなるのです。
結局答えは蜜蜂が口移しで花密に唾液をを混ぜるからでミツバチがキスをするからでした。
ミツバチは花の蜜(蔗糖)を分解しての巣の材料の蜜ろうを作るのですが、人間では蔗糖を分解してヌルヌル物質のグルカンを作り虫歯菌の住処の土台となり本格的なプラークを作り、そこで酸を作り結局はむし歯を作る原因となるのです。意外なところに人との接点があるものですね。