No.008 お母さん、貴女のお口の中は?
大橋小児歯科へ初めて来られるお子さんの平均年齢は3~4歳です。そのお母さんは20歳代後半から30歳代の方が大半だと思います。その年代の人の口の中はどうなのかと考えて見れば、それはまさに、日本中ムシ歯だらけの、それもどんどん悪くなって行く真最中の頃、子供時代を送った方々ではありませんか。私は小児歯科専門医ですから、子供の口ばかり見ているので、大人の口の現状をあまり知りませんが、このお正月休みに高石市休日診療所の当番で行ったのです。
そこには子供も来ますが大人もやって来ます。久し振りに見る大人の口の中、それは惨澹たるものです。今から10年前、子供の口の中は本当にひどかったものです。でも最近では本当に良くなって来ているのに、大人の口の中は未だにひど
いものです。この状態を何とかしなければならないのですが、生まれてから何10年、その人の口の歴史があり、今までに築いて来た口腔衛生に対する習慣があります。それを変えなければどうにもなりません。よほどのショックを与えない限り無理なのです。
お母さん方のムシ歯の進行はもう落着いたと思うのですが、まずは子供時代に作ったムシ歯は早いうちに片付けなければなりません。ある調査によれば女性は間食に甘いものをよく食べるのか、男性と違って、大人になってもムシ歯を作るようです、最近ではダイエットなどで甘いお菓子を抑えている人も多いのでムシ歯に関して少しは良い影響があるかも知れません。そして、もう一つ、そろそろ中年にさしかかって来れば、今度は歯を支えている歯肉や、歯槽骨の病気が現実のものとなって現われて来ます。歯槽膿漏などと呼ばれるものです。この病気もムシ歯と同じように歯と歯の間にたまった歯垢(プラーク)によって引き起こされるもので、予防するためには、その歯垢を取り除くための歯磨きと歯石を取る事が基本です。
お母さん方、あなた方は、ムシ歯で苦しめられた事を思い起こし、歯茎の病気にはぜひとも負けないでほしいと思います。子供と一緒にブラッシングをがんばって下さい。