No.011　ムシ歯予防週間にちなんで！！

６月４日から６月１０日は、ムシ歯予防週間です。この期間は、毎年、全国各地でムシ歯予防のためのいろいろな催物が開かれます。 少なくとも年に１回くらいは、自分の口の中に注意を払ってもらうためにも、好ましい行事だと思います。
そして、ちょうどこの頃は、保育所、幼稚園、学校での歯科検診が行われ、検診結果用紙を持って、私どもの診療所へたくさんの子供達がやって来られます。
検診の結果、ムシ歯が見つかったといって本当に心配して来られる人もあります。
中には、検診用紙に印を押すことだけに熱心な方もおられます。ですから、治療をはやく早くとせかされるのですしかし、歯科健診によって、いろんな種類と程度の疾患が発見されるのであって、あるものは今すぐに処置の必要なものもあります。あるものは、本当の初期のムシ歯で、特に削ってつめたりしなくても、今の状態より進まないようにしておけばよいもの、あるいは、もうすぐ永久歯と生え替わる時期に来ているので永久歯との交換まで観察だけで済むものもあります。また、歯肉の異常、噛み合わせに問題のある子もチェックされて来ます。私の考えでは、もちろん治療の必要な歯はできるだけ早く処置をするべきだと思います。しかし、子供のムシ歯は治療と併行してムシ歯そのものの進行を食い止めなければ、治療そのものが本当にむなしい行為になってしまうと思います。３ｶ月の定期検診で、次から次へと新しいムシ歯を作って来られる子供を目のあたりに見る時、ムシ歯は治療ではなく、予防しなければとつくづく思うのです。ほんの数年前までは、ムシ歯は文明病の一つで止めようのない病気だと考えられていたのですが、今では、はっきりと予防のできるものとされているのです。それでもムシ歯は遺伝だ、体質だとあきらめ、治療を受けに、私どもの診療所へ来られるグループに入りますか。この診療所が予防をめざすグループの中心となる事を夢見ながら、ムシ歯で苦しんでいる子供の治療を続ける毎日です。