No.012　ムシ歯を放置していると命とりにも！

”くりあー”を発行して早や１年になります。この１年間、ムシ歯のことを中心にお話して来ました。その概要は、ムシ歯はその気になればかからないようにできますよ、と言うことでした。また、なったとしても小さなうちに処置すれば簡単ですと。それも本当に気をつけなければならないのは小学生時代までですョ！と、お話しました。
ところで、私の診療所に来られる患者さんは、大きく分けて三つに分類できます。その一つは、全くムシ歯がなくて、ムシ歯予防とその管理を希望して来られるグループで、私の診療所で最も歓迎するグループです。第２は、今は痛んだりする歯はないけれどもムシ歯を作ってしまったようなので早めに治療して、その後も管理してほしいというグループ。そして第３は、痛い歯があったり、腫れていたりで何とかしてほしいというグループです。ひと口にムシ歯といっても、それについての感じ方は、人それぞれ本当にいろいろあるのです。ムシ歯になったら困る、絶対にムシ歯にしたくないと思っておられるお母さんも実際にたくさんおられるのです。そうかと思えば、ムシ歯なんかいくら罹っても死にはしないのだからと本当に無頓着な方もおられます。他の病気でこれ程多種多様な受けとめられ方をされるものはないのではないでしょうか。皆が成っているからと安心していてもよいのでしょうか。先日、心臓の病気で入院している人でムシ歯が原因で顎が腫れているのに治療してくれない、できないと言われたがどうしたものかと電話で相談を受けました。この人にとっては、歯の治療は命懸けということになります。こんな場合の他にも重い病気で入院しておられる方で歯の手入れができずに結局は歯からの感染で命を落とす人はいくらでもいるはずです。その人はムシ歯で死んだとはいわず、もとの病気でなくなったと診断書には書かれるのです。それこそムシ歯のひどい場合は、傷口があってバイ菌を常に体内に送りこんでいるのです。大きな病気になるとムシ歯と分かつていてもどうしょうもないのです。ムシ歯は直せるうちに直しておくべきだと思います。できれば、ムシ歯にならないうちに手を打ちたいものです。