No.017　黄色人種とはいうものの！！

大橋小児歯科は満９年を迎えました。これも熱心なお母さん方のお陰であると感謝致しております。これまでに来院された患者さんの数は約8200名です。その間には色々な症例がありましたが今回は飲物にまつわるお話を一つ。
約７年前のこと、ムシ歯だらけの坊やが来院しました。その頃はムシ歯だらけの２歳児はザラにいましたから驚く事はなかったのですが、なぜか顔が黄色いのです。よく見ると手も足も同様です。横から透かして見ると少し透明感があり光っているようです。ひょっとして黄疸にでもと思い、お腹を見てみるとヤッパリまっ黄々です。早速お母さんを呼び入れて聞きますと、小児科で100％のオレンジジュースは体に良いと聞いたので１日１パック1000ccぐらい飲ませているとの事でした。これからお正月にかけて、ミカンをたくさん食べて手が黄色くなる人がいますが、からだ全体までは珍しいです。100％オレンジジュースは体にいくら良いといっても飲みすぎはいただけません。幼児であれば小さなコップに一杯ぐらいまでです。大きな罐ジュースを１本幼児が飲んだ時、あの小さいお腹の中を想像して見て下さい。何事もほどほどにしてあげてほしいものです。ちなみにこの子はジュースをストップすると幸いにも自然と黄色味がひいて行きました。 これに関連して、先日、当医院の勉強会での発表に「牛乳貧血」がありました。要約すれば、牛乳を多飲し（１日600～1000ｍｌ）、固形食を十分とらなかったため鉄欠乏性貧血を発症した例です。一般に牛乳は完全食だと思い込んでいるお母さんが多く、牛乳さえ飲んでいれば他の食物はとらなくても大丈夫と考えておられるようです。牛乳には100ｇ当り約0.1ｍｇの鉄しか含まれていません。
しかし、幼児では１日８～９ｍｇは欲しいのです。牛乳では到底足りません。その報告では牛乳を毎日500ｍｌ以上飲み続けている幼児が36.6％もいると報告しています。牛乳は体にとって良い飲物ですが１日3～400ｍｌまでで、ほどほどにしてあげてほしいものです。
子供は毎日500ｍｌ以上飲んで貧血に、大人はお酒を毎日２合以上飲み続けてアル中！！どんなに健康的で、また生活に潤いを与えてくれる物でも、その扱い方があるようです。何事も限度をわきまえ、健康で明るい家庭にしたいものですネ！！