No.019 子供の飲物
3才の男の子が来院しました。少し泣き虫さんですが、もう3回目の来院です。
少し慣れてきているので早速治療を始めました。何だか不気味な沈黙があって、その後、ドバッーと嘔吐です。まっ黄々のジュースです。固形物はお腹の中には入っていなかったようです。
お子さんの中には、少し大きな口を開けると、ゲェッとする子がいます。大人に比べると嘔吐反射がきついようです。先月の”おねがい”の項にもありましたが、診療の前にはあまり食べずに来られるのがよいのです。
ところで、ドバッーと出てきたジュースですが、飲む時は無頓着に一本ぐらい平気で飲ませるのですが、吐いた時に特に感じるのですが、こんなにたくさん黄色くてすごく甘いにおいのする飲物を胃の中に入れると、これからオシッコになって体の外へ出るまでにその子供の体にどれだけの負担になるのか、一度お考えねがいたいものです。決してジュースは黄色のままオシッコとして外へは出ませんネ!コーラを飲んでもしかりです。コーラ色のオシッコが出たらおお事です。
コーラの事で思い出したのですが、お正月の料理の中に鶏の足を使っていたのですが「骨までやわらかく料理するために、コーラを使うと簡単」だというお話をしているのを聞きました。砂糖はコーラに入っているので甘みは十分で、本当にうまく出来るとの事だったのですが、主婦の生活の知恵には驚かされますが、ちょっと考えてみて下さい。子供のお腹の中にコーラ一本入った姿を。コーラはリン酸含有飲料です。人体内のカルシウム分と結合してリン酸カルシウムとなって体外へ排泄されるのです。料理に使って、鶏の骨を軟らかくするのに重宝するのは利点ですが、せっかく苦労して食べさせたカルシウム分をコーラによって追い出していては何にもなりません。子供の飲物としては適当ではありません。大人がコーラを飲みすぎて、直接、歯を溶かせて重症なムシ歯になった症例を見たこともあります。