No.022 ビーバーちゃん登場!!
木々の若葉が本当にすがすがしい新緑のシーズン、幼稚園、保育所、小学校と新入生がそれぞれの環境に慣れて来た事でしょう。
先月は、世の中にはそっくりさんがいるようですが、親子兄弟こそ一番のそっくりさんですよ!!と書きました。よく似るのは当然でしょう。遺伝的に最も近く、その上生活環境も同じなのですから。
ところで、私の診療所には歯並びの治療を目的に来院される子供さんがたくさんおられます。その中には、
1)連れて来られたお母さん自身が子供と同じように歯並びが悪くて、自分と同じいやな思いを子供にはさせたくないと本当に必死の思いです。このようなケースはまさしく遺伝的な原因が考えられます。
2)中には、ムシ歯がひどくて、その治療に来院されたのですがムシ歯もさる事ながら、乳歯が無残にも崩れてしまっているために6歳大臼歯がその前の乳歯があるべき筈の所まで倒れ込んでしまっていてそこに生えるべき永久歯の余地が無くなってしまったようなケースです。この場合は歯科医が指摘して初めて気がつく事が多いようです。
3)次いで、子供ですから当然指しゃぶりもするでしょうが、3~4歳をすぎても未だにしている場合、長年の癖のおかげで指には吸いダコが立派に成長している事でしょう。指の吸いダコは止めれば自然に消滅するでしょうが、そのタコとぶつかりあっていた歯とか顎の方も考えてやってほしいものです。当然、顎にも反応がある筈です。なかには歯を噛み合せたとき指一本分の隙間が開いているケースもあります。これも指吸いを止めれば元通りの状態に戻るかといえば、なかなかそうは行きません。顎の周りには上下の唇、ほっぺ、舌など毎日毎日の生活で、食べたり、おしゃべりしたり、泣いたり、笑ったり、色々な機能が行われて、すっかりその状態で安定してしまっているケースが多いのです。下唇が上の歯の裏がわから支えるようにして入り込んでしまい、上唇は歯に押しやられて、あまり動く事もなく縮んでしまっているのです。こんな場合、その子はひょっとしたら”ビーバー”ちゃんなんて愛称がついてしまっている場合が多いのです。
歯並びが悪くなる原因はいろいろありますが、遺伝的なものが関与しているのはせいぜい1割ぐらいです。歯並びもムシ歯と同様、その人の日常生活の中で作られて行くものだと思います。