No.024 世界で虫歯は今!!
6月6日から15日まで、カナダのトロントで第11回国際小児歯科学会があ りました。私も育児環境と虫歯について、発表してきました。この間、皆様には ご迷惑をおかけいたしました。
国際小児歯科学会は、2年に1度、世界中の小児歯科医が集まる学会で、私は この学会には4回目の出席です。世界の各地で開催されるので、そのついでに少 し観光もかねて、と言ったこともあって、私の楽しみの一つです。
この学会に出席して、いつも思うことですが日本では小児歯科といえば、まだ まだ、なじみの薄い診療科目で、日本の歯科界の中でも少し肩身の狭い思いをし ているのです。しかし、一歩世界へ出て見れば、特に西欧の先進諸国ではそれぞ れの国でかなりの歴史があり、根付いているのだなあとの思いにかられます。参 加者も、私などは、ほんの若輩で、年齢も高く経験豊かな先生方がほとんどです。
出席して思ったことですが、今や西欧先進諸国を中心にして、虫歯の問題はほ とんどなくなった感があります。近年、日本でも都市部を中心にして子供の虫歯 は減り始めたと、この”くりあー”でも書いたことがあります。世界的にはもつ ともつと進んでいるようです。
では、この虫歯の減少はどうして起こったのかといいますと、ほとんどの国は 水道水のフッ素化などフッ素によって達成しているようです。日本では、水道水 のフッ素による汚染ということで、未だ許可されていません。いろいろな考え方 があり大いに論議されることはいいことダと思います。私は虫歯撲滅の切り札は あえて出さなくても虫歯は減らせると思っています。何の努力もなく虫歯がなく なるなんてあまり好ましくありません。飲みたくもない人にまでフッ素を飲ませ ることもないでしょう。
日本では、口の中に対するお母さん方の意識の向上によって虫歯の問題は改善 されてきつつあります。これが子供に引き継がれ、一生、自分の歯は、自分の健 康は自分で守るという意識と習慣が根付いてくれれば本当に素晴しい事だと思 うのですが!!