No.033 来院の動機を大切に!!

先月、泣き叫ぶ子にたいして少しでも恐怖心を取り除いてから治療を、と考え て、あくる日に抜歯に来ていただくようにした患者さんのことをお話ししました。 その子には弟がついて来ていたのです。帰り際”一緒に付いてきてくれたの、オ リコーだネ!”といって口の中をチラッと覗いたのですが、やはりその子も本当 にひどい虫歯です。これはひどいなーと思い、何か重要な原因があるはずだと思 い治療と同時に予防教育にじっくりと取り組んで見ようと思ったものでした。

そして、あくる日お母さんから電話が入り、治療は結構ですとのキャンセルの 連絡です。その瞬間、気の毒なことをしたな、と思ったのですがもうあとの祭で す。昨日来られた時に子供との約束を破ってでも抜歯すべきところはしてあげれ ばよかったのです。その子はおそらくまたしばらく間、そのまま放置されるでし ょう。せっかくお母さんと子供がその気になって歯の治療のためにわざわざ出向 いて来てくれたのに、その糸口をもう少し確実なものにしてあげられればよかっ たのにと思うのですがもう遅いのです。何も歯科医院は私のところだけではない のですから、どこか適当なところへ行ってくれればなあと祈る気持ちで一杯です。

私の診療所へ来られる患者さんを分類すれば1自主的に検診、予防処置など口 腔管理をしてほしいといって来られる方。2虫歯をおうちで発見したりあるいは 学校、幼稚園、保健所などで指摘されたりして治療を希望されて来られる人。3 痛いとか腫れて我慢できなくて飛び込んで来られる急患。4今までに痛かったこ とがあったけれども何とか持ちこたえていた人で、前々から気になっていたのを、 子供さんも少し大きくなり、ようやく説得して連れて来られた方。そして5歯並 びに問題があるといって来られる方。といった具合にだいたい五つに分類できま す。これらは初めて来院された時に先ずお聞きする来院の動機なのです。いずれ にしても私の診療所へわざわざ足を運んで来られた方々なのです。それぞれの主 訴に先ず応える必要があります。そして今まであまりじっくりと口の中の健康に ついて考えたことのない方々には、一度考えていただくキッカケを提供できれば と思います。また、もっと積極的に健康について行動する仲間になっていただけ ればと思うのです。

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