No.036 歯磨き習慣をつけるために
今年も保育所、幼稚園、学校などの集団検診の季節がやって来ました。子供の 虫歯などの動向を知る上でも、わたしは毎年興味をもって、その結果を見ている のです。
それによりますと、どうもまた、虫歯は少し増える傾向にあるように思われま す。お母さん方、お宅は大丈夫でしょうネ!この際、もう一度気を引き締めてい ただきたいと思います。
先日、私は担当の保育所へ検診に出かけました。検診を終って、職員室でひと 息ついて先生とおしゃべりしている時の事です。ある保母さんが、個人的な事で 申し訳ありませんが、と言って質問されました。何だと思いますか!
「うちの子供は、歯磨きをしてあげようと思っても、いやがって、いやがって なかなかさせてくれません・・・どうしたら良いのでしょうか?」という質問で す。
その保育所の保母さんですョ!皆さんのお子さんを預かっておられる! ご 自分の専門ではありませんか!!と言いたいのですが・・・いやいや、これは、 そんな風に冷たくあしらって片付けられない育児の本質が隠された問題なのだ と思います。 子供の歯磨き習慣を付けようと思ってもなかなか付けられずにご 苦労なさっておられるお母さん方のお話しをよく聞いて見るとだいたいはこう なっているのです。
先ずは、初めから喜んで歯磨きをさせる子はほとんどいません。口のなかにい らんものを入れられてゴシゴシされるのですから当然です!!
それを無理やりやろうとすれば、正常な子供であれば当然抵抗するでしょう。 その表現方法は泣く事であり、暴れる事であります。元気なお母さんの中にはそ れでも足で体をはさんだりして押え付けて磨いている方もいるようです。毎日毎 日、本当にご苦労さまです。根くらべして勝てればそれもよいのでしょうが大変 です。
一方、子供の機嫌の良いときはどうでしょうか。お母さんは、これはしめたと ばかりに一生懸命磨きます。結局は子供が嫌がるまでやってしまうのです。泣い て暴れるまで終ってくれないのです。
私は機嫌の良い日こそ適当に切り上げて、歯磨きがお利口にできたと褒めてあ げ、あくる日以降に備えるべきだと思います。そのうち子供が歯磨きにも慣れて 来るでしょうし、お母さんも上手になります。その日はいくら奇麗になったとし ても、子供を泣かせてしまえばあくる日以降が大変です。明日も、あさっても、
その次の日も生きている限り口の中は汚れるので、歯磨きをしなければ虫歯など 色々なトラブルが後に続くのです。