今から16,7年前、私が自動車の免許を取るために自動車学校へ通っていた時の ことです。生まれて初めてハンドルを握ったのですから、そうはうまく行かない のは当然です。何だったか忘れましたが指導員に質問をしたのだったと思います。 その時「餅は餅屋や、ぐだぐだいわずに言う通りにやればいい」と言うのです。 私は、思うようには行かないのですから言われるままに運転していました。それ はそれで何ともなかったのですが、その後、彼は自分らは歯の事は何も知らない ように、運転のことは何も知らないのだから任しておけばいい。自分も歯医者へ 行ったら何もかも任せているように!!と言うではありませんか。私は立場が弱 いのでその場は苦笑して済ませました。

さて、皆様は果たして、これをどのように考えられますか。

歯の治療内容など全てについてやはり泣き寝入りしているとお考えの方はお られないでしょうネ!!分からないことは遠慮なく聞き納得して治療を受ける ことです。

ところで、歯を削らなくてはならない、抜かなければならなくなった、歯並び を治さなければならないなどなど、それら全て患者様自身の日常生活の結果ある いは遺伝的な結果であるのです。あくまで、歯科医は患者様の傍らからそれらに 対して援助の手を差し延べることしかできないのです。現在のところ虫歯の特効 薬などはないのです。

このような状況の下でも、あなたは、私は歯の事、病気の事は何も知らないと 言っておられますか。あなた自身も、そしてあなたのお子様もそれぞれ自分自身 の生の身を運転免許も持たずに操っているのです。生きているのです。

虫歯も顎の成長も、何千年も前の時代であれば、何の知識も持たなくてもほと んど問題なく生きて行けたかも知れません。しかし、現代の生活環境、とくに食 生活環境の下ではそれに応じたいろいろな知識や健康習慣を持たなければ快適 には生きて行けません。とはいっても、口の中の健康については、それほど多く を要求しません。重要なポイントだけははずさないようにしたいものです。あな たの健康、口の健康を守るのはあなた自身です。主役はあなた自身です。