No.044 定期検診の励行を!! パートII
先日、私の診療所に約10年間通っていた13歳の男の子が、第2大臼歯も生 え揃い、また、歯磨きなど口の中の手入れもまずまず満足できる状態になったの で、そろそろ小児歯科(大橋小児歯科)を卒業しようといいました。
この約10年間、少し気の弛んだ時期もありましたが、本当によくがんばって 来られ、数本の虫歯もきちっと治療も済み、かみ合わせもまずまず満足のゆく状 態です。普段の歯磨きなども、定期検診毎にチェックしていますが、まずまずで す。・・・となると、そろそろ小児歯科を卒業する時期だということになるので す。
この子の場合、3歳になる少し前に乳歯の奥歯が痛いということで、お父さん とお母さんに付き添われてギャーギャー泣きわめきながら初めて当院に来院さ れました。大騒ぎをしながら何とか検診したのですが、痛んでいる歯の他にも、 今にも痛みそうな歯が数本ありました。上の前歯は哺乳瓶をくわえさせて寝かせ たために全滅です。結局、乳歯の奥の歯はほとんど全部神経の処置が必要だった のです。そのためには麻酔を打つ必要があり、少しは痛い目にあわさねばならな かったのです。その上この子は口を大きく開けると、ゲェッと嘔吐反射がきつか ったので、初めの頃は、毎回大きなタオル持参だったのでよく覚えているのです。 苦労はしましたが、乳歯の治療が全部済んだ後は、両親が非常に熱心で定期検診 にも頑張って来られました。初めの頃は治療をした歯にまた虫歯を作ったりもし ましたが、乳歯から永久歯に生え変わってからは6歳大臼歯の溝の深いところに 小さな虫歯ができたので充填をしたくらいで特に大きな問題はありませんでし た。かみ合わせの調節も毎回少しずつやってきました。
私はこの子は今後、歯周疾患についてのいささかの不安はありますが、虫歯に ついてはそんなに悩まされることはないと確信します。この子にとって定期検診 が良かったのだと思うのですがどうでしょうか。もし、痛いところを治して終わ り、また痛くなったらいらっしゃい。と言うようなやり方では、おそらくこの子 は一生虫歯の治療の繰り返しを続ける事になるでしょうし、早晩歯周疾患にかか るのは目に見えています。