先日、4月30日に休日診療所の当番で出張しました。1年に数回の割で回って くるのですが、これが私にとって、大人の患者さんを診る数少ないチャンスです。 3人のドクターで分担して診るのですが、その日も朝から結構たくさんの急患が 来られました。顔を腫らせて来られる方、入れ歯の調子が悪くて食事ができない 方、歯が痛い痛いと泣きながらお母さんに連れて来られた子供など様々です。
休日診療所はあくまで緊急応急処置専門ですのに、休日でも診てくれるとよく 来られる患者もいるようです。 それらのうちの一人ですが、26歳の男性で、 右下奥の顎を腫らせて来院されました。口の中を見ると、親知らずが少し頭を出 し、その周りの歯肉が赤く腫れています。知歯周囲炎であることは明らかです。 親知らずの周りを丹念に洗浄消毒して応急処置は終わりです。後は抗生物質と消 炎酵素剤そして鎮痛解熱剤を出して、現在の腫れや痛みを治めて、その後、日を 改めて原因歯を抜歯ということになります。
こんな症状はよく見られる事なのです。この人に応急処置の前に問診といって、 その歯の状況をお聞きしたのですが、昨日は結婚式だったけれど何も食べられず、 飲み物さえ飲み込む時に痛くて少しだけだったとのことです。私は、それでも、 自分の結婚式でなくてよかったですネ!といったのです。すると、自分の結婚式 ですと、ポツリと寂しそうに答えられたのです。かわいそうに、新婚第一夜にし て一睡もできず、一晩中水で冷やしていたとのことです。もちろん新婚旅行も取 り止めです。
どうして、こんな重要なイベントを控えてそれまでに治しておかなかったので しょうか。普段も少し痛かったけれども、我慢すればいつの間にか治まっていた という状態を繰り返していたようです。
しかし、結婚式など気を使い、疲労がたまった時に問題が起きるようです。こ んなことがお話しではなく現実にあるものですネ!!
おそらく、この記事を読みながらご自分の親知らずをホッぺの外からなぜてい る方が何人もおられる筈です。いやいや、虫歯がシクシク痛む方も!!
6月は虫歯予防月間です。時間的余裕のある、体調の良い時に、きちんと治療 しておかれることをおすすめ致します。
[休診日] 木曜日・日曜日・祝日