No.062 最近の子供たち-その2-
先日、テレビを見ていたら学齢期シンドロームということで、最近の子供はどうも おかしい、ということを放送していました。見られた方もおられると思いますが、そ の内容は、第一に、子供の胸郭異常で、普通は、みぞおちの所で胴体を水平に輪切り にしたとすれば、その断面は、楕円形になるのですが、三角形様の子が目立つという のです。その原因として、最近の子供は、ハアハアと息が切れるくらい激しい全身運 動をして、胸で息をすることが少ないからだとしていました。
第二に、ますます目の悪い子供が増えているとの事で、眼科の先生が、従来のファ ミコンや漫画の読みすぎよりも、もっと問題があるのは、姿勢の悪さと鉛筆の持ち方 が悪いために起きているようだと報告していました。机の上にはいつくばるようにし て座っていると同時に、シャープペンの下の方を持って立てるように変な持ち方をし ているので手許が見えないため、ペンを覗込むように目を近づけている。これがどう も目が悪くなる原因の一つではないかと指摘されていました。
そして、最近の子は歯並びが悪いというのです。
私の経験からして、永久歯の歯並びの悪い子は、乳歯の虫歯が原因だったりして昔 からたくさんいたのですが、最近では、乳歯の段階で、歯が生えそろうだけのスペー スがなく、既に不正咬合という子が見られるようになっています。乳歯の段階でスペ ースが足りなくて不正咬合であれば、永久歯も間違いありません。なぜ乳歯期にそう なるのかは、やはり毎日の食事でしっかりと噛んで食べないために、顎の骨に対する 刺激が少なく成長が悪くなったのだと考えられます。
しっかりと噛んで食べない事は、他の面でも悪影響が出ているようです。たとえば、 歯肉へのマッサージが足りないので子供の歯肉炎が増えています。唾液の出かたが悪 いためか唾石がつまったり、小唾液腺の開口部で炎症が起きたりしている子が見られ ます。
ところで、お宅では食事のとき子供でも、お茶、牛乳あるいはジュースを初めから 出していませんか?この習慣のついたお宅の子供は、ほとんど噛む事もなく、胃の中 へ食べ物を流し込んでいるようなものです。ただ生きてゆくためのエネルギー摂取だ というのであればそれでもよいのかもしれませんが、子供は肉体的にも、精神的にも 生長途上にあるれっきとした人間、生き物なのです。ちょっとした、親の心づかいの 筈がとんでもないことの原因になっていたりするのです。
昼間は外でお友達と大声を出して暴れ周り、お腹がすいて、待ちに待った夕食をパ クパクと平らげるような昔の子供ではとうてい考えられない事が最近の子供を蝕ん
でいるようです。