先日、4歳の女の子が腫れて痛いと来院されました。お口の中を見ると本当にひ どい虫歯です。最近ではちょっと珍しい状態です。
よくお聞きしてみると、お父さんは銀行にお勤めで最近九州のある地方都市か ら転勤で引っ越して来られたとの事です。
お母さんのお話しでは、これくらいの口の子はそこではそれほど珍しくはなか ったようで、痛くなったり腫れたりしたら歯科医院へ行けばよいと思っていたよ うです。
その翌日、やはり4歳の男の子が初診として来院されました。お母さんがお口 を見て、どうも奥歯の歯と歯の間に虫歯ができてしまった様で心配だということ です。お口を見せてもらったら、やはり歯と歯の間が黒く虫歯があります。レン トゲンで調べると既にかなり進行しているようです。お父さんは、やはり銀行に お勤めで最近東京の近郊都市から大阪へ引っ越して来られたとのことです。お母 さんにあちらでは皆様子供の虫歯予防についてかなり熱心な筈ですが、とお聞き すると、そうでしたとのことで、そのお宅でも気をつけていたのですが、出産の ため実家に帰っている間に失敗してしまったとのことです。
そして数日後、やはり銀行員で大阪の北から転勤して来られたという方のお子 さんが虫歯予防を希望して来院されました。この子は虫歯が一本もなくきれいな お口をしておられます。お聞きするとひっこし前の所では皆様虫歯予防に熱心で 近所お互いに虫歯にならないように気をつけあっていたとのことで、自分の所も 虫歯になったら大変だと思ってということです。
最近では、都市銀行だけでなく、多くの会社で転勤があり、子供は親について 日本国中、いや世界国中転居し、その行く先々で生活しています。親の方はしば らくの間の仮生活のように思っておられるのでしょうが、子供にとっては成長期 の生活そのものなのです。ほとんどの子はすぐにその地に順応してしまいます。 お母さんも徐々にではありますが自分の周りの人達に染まって行きます。
子供達が育つ地域、環境によって口の中も相当変わって来るように思われます。
実際、数年前までは、ひどい虫歯の子が来ればおおよそ、どの方面からではな いかと予測がつくくらいだったのですが、最近では泉州地域の子供の虫歯はかな り改善され、だいたい同じ位のレベルにまでなってきているようです。
望むらくは、この地の子は歯が奇麗だといわれるようになればと思うのですが。
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