No.067 生涯歯科健康管理のすすめ -パートII-
昨年の”くりあー”2月号で私は大阪府の生涯歯科保健推進協議会の妊産婦、 乳幼児歯科保健班の一員として協力していると書きました。その後、作業が少し ずつですが進み、この程ガイドライン作成にこぎつけました。
この作業をしていて思った事なのですが、子供たちの歯科口腔保健についての 公的なサービスは、管轄の泉大津保健所では、1歳半児健診、歯科疾患予防事業 としてのよい歯を育てる会(1歳半から3歳までの幼児とその母親を対象として、 半年ごとに口腔衛生に関する正しい知識を普及するとともに、歯科検診、予防処 置などを適切に行い、住民による自主的な健康保持・増進の実践的行動を促すこ とを目的とする)および3歳児健診と、3歳児までの乳幼児についてはお母さん が熱心であれば、それに応じてかなりきめの細かいサービスが受けられるのです。 特に泉大津保健所では、府下でも数の少ない常勤の歯科衛生士が20年程も前か ら勤務し、また矯正相談についてもそれ以前から実施しています。
住民であれば誰でもが無料で受けられるシステムを大いに利用していただき たいものです。
ところで、3歳時で虫歯のひどい子供は9歳時点でも永久歯の虫歯を作りやす い事が報告されていますし、また、3歳児で虫歯にかかりやすい子供は虫歯の数 も多く、また、重症の虫歯になることが示されています。
そういう意味でも早くからの対策が望まれます。また3歳以下の乳幼児の歯の 治療は本当に大変ですから、こんな早期に治療をしなくてもよいようにするため にも頑張っていただきたいものです。
さて、保健所での公的な歯科保健サービスとして4歳児以降は特に何も実施さ れていません。しかし、実際はこの頃から虫歯の急増期が始まるのです。子供も 大きくなり治療することがそれ程難しくなくなるとはいえ出来ることなら予防 処置だけで済ませたいものです。そこでぜひとも勧めたいのがかかりつけの歯科 医院での定期検診と言う事になるのです。
4歳以降公的歯科サービスが無くなるといっても、ほとんどの子供は保育所か 幼稚園に通っていますから、年に一度くらいは歯科検診の機会があります。結局 は虫歯を見つけては治療というパターンになってしまうのです。でもこれは早期 発見、早期治療につながり従来の理想だったようですが、本当は家族中みんな、 健康については早期認識、早期予防へと生涯歯科健康管理をすすめていただきた いと思うのです。