No.069 歯の数を数えて見よう
4月は新年度が始まります。入園、入学そして進級するお子さん、皆様おめで とう。それぞれの新しい環境で早く慣れ、楽しく元気に頑張って欲しいものです。 4月はやはり何かと心のはずむ月です。
先日、今年小学校1年生になられる男の子が入学までに虫歯を全部きれいに治 療してほしいと来院されました。
診察室に入るとお母さんに言われていたのか、きちんとご挨拶ができ、何とな く心がはずんでいます。しかし、一方、虫歯の治療で歯を削られるのではと不安 でもある様子です。
治療に取りかかる前に少しお話をしますと、もう黒のランドセルは買ってもら ったとの事です。そして机はお爺ちゃんがもうすぐ送ってきてくれるとのことで す。
そして、口を大きく開けて診察が始まりました。小学校入学の頃といえばちょ うど永久歯が生え始める時期で、上の前歯2本と下の前歯は2本とほんのちょっ ぴり次の2本が頭を出していて、それらが乳歯に囲まれて異様に大きく感じられ ます。私はその子に大きないい大人の歯が生えてきているネ!と言うと大きくう なずきます。ところで、君の口の中に永久歯が何本あるか知っているかいと尋ね ました。するとその子はエ-ットと言って、舌の先を尖らせて、大人の歯をなぞ って上が2本で、と数えるではあ-りませんか!。そして下の歯もぎこちないけ れども何とか舌をすべらせながら数えました。上下の一番奥の大きな6歳臼歯を 忘れないように言うと一生懸命舌を後ろの方に持っていきます。
最近の子供達は軟らかくて食べやすいものを好んで食べるため、舌を器用に動 かせる子が珍しくなっているので感心させられました。
この子を見ていて、お宅でもぜひ歯の数、あるいはそのうちの永久歯はどうか、 乳歯はどうかと遊びながらベロで数えさせてみてください。小さい子供は数をか ぞえるのが大好きです。それが舌の筋肉のトレーニングとか、口周りの筋肉の強 化に非常に役立ちます。それができれば次は上級者コースとしてそれぞれの歯の 周りを、舌を使ってなめて見て、歯の汚れを確かめられる様になってほしいので す。これができれば歯垢の検査を染め出し液でいちいちやらなくても、いつでも どこでも簡単に口の中の汚れの状態を確認できるのです。当然普段の口の中は飛 躍的に清潔に心がけられるようになります。
まずは舌で歯の数を数えて見よう。君は何本かな!!