No.076 ダイエットブームに寄せて
先日おとなりの奥さんが入院されたということで家内がお見舞にいきました。 幸い手術の経過もよく、元気で早く退院したいとのことでした。日頃、運動不足 や食べ過ぎのため少し痩せなくてはとジョギングなどを一緒にしたりしていた らしいのですが、ほんの10日あまりの入院でげっそりやせて元気だったころの 面影もなく貧相な感じがしたということです。「痩せるのは簡単、病気すればい っぺん」少し痩せたいなと思っている時が一番いいといっていたそうです。とこ ろで、これもほんの少し前のテレビでしていたので見られた方もおられると思い ますが、たしか「それでもあなたはダイエットしますか」というタイトルの番組 でした。最近のダイエットブームでだれもかれもがダイエット、ダイエットとい って食事制限をした、したことがあるというご時勢ですが、最近とみにいろいろ な弊害が見られるというのです。痩せたい、痩せたいという脅迫観念に陥り極端 な食事制限の結果拒食症になり、死んでしまった例もあるそうです。戦後の食べ るものがなかった時代に育った私のような世代の者は食べられるものなら何で も喜んで食べ体は小さいけれども丈夫にたくましく育ちました。最近の子供たち は飽食の時代と言われるように、何でも好きなものが食べられる環境にいて、グ ルメだとかいっては栄養の偏った物ばかりを食べて、体は大きいけれどもひ弱に 育っていると言うことです。
最近、特に女性の社会進出が目立ち、昨年の女性の就職者の数が男性よりも多 かったという記事か出ていましたが、そのためなのかファーストフードが非常に 伸びていて、日本人の食事に占める割合が大きくなっているのです。このファー ストフードの保存料としてポリリン酸が使われていて、このリン酸が血液中のカ ルシウムと結合してリン酸カルシウムとなって尿として体外に放出され、それを 補うために骨のカルシウムが使われ骨が弱くなると言うことです。この説にはま だ全面的には承認されていないところはあるのですが、ダイエットしている人の 骨のレントゲン写真を見ると本当に弱々しく折れ易い感じがしました。
いずれにしても、毎日毎日家族の食事を作るお母さん方はたいへんですが、そ の食事によって家族みんなが生きるエネルギーを得、子供たちはそれぞれに必要 な栄養をとり育って行くのです。くれぐれも偏りのないバランスのとれた食事を 考えていただきたいものです。