No.097 気をつけよう、おまじない磨き
夏休みに入って子供たちは家の中で、そして外でと元気にしていることでしょ う。
夏休みに入ると年齢の高い子どもがたくさん定期検診に来院します。 何年も 何年も続けて定期検診に来られている子供さんを診るとき、本当に頭の下がる思 いがします。そして、その熱心な行動に対して具体的な成果で報いなければと思 う今日この頃です。
さて、夏休みに入ってすぐに中学生の男の子が例によって定期検診に来られま した。最近、体も大きくなり話もきちんとできるようになり、もちろん歯もきれ いに磨いて来院し、新しい虫歯もほとんど作ることもありません。安心して検診 できるようになっています。
すると、昔はお母さんに歯磨きしなさいと言われたら洗面所に行って歯ブラシ に水をつけて歯にブラシをポンと当てて、はい終わり。お母さんに磨いたかを聞 かれたら、磨いたと答えていたとのことです。たまにお母さんにあまり早いので、 本当に磨いたのか聞かれたりすれば、歯ブラシを持って行って、確かに濡れてい るのを見せたということです。お母さんもそれ以上は追求しなかったと言うこと です。
ここに書いた磨き方を「おまじない磨き」といいます。これほど極端な例はあ まりないのですが似たりよったりのケースは非常に多いようです。医院での歯磨 き練習のとき明るい照明の下で改めてお子さんの口の中を見せられたとき、いつ もの歯磨きのときに見ていた口とはまるで違っていると言われるお母さんがお られます。
あまりよく見えない所で、あるいは、あまりよく見ないでお子さんの歯磨きを するのは、ひょっとしたらおまじない磨きになっているのではないでしょうか。