No.103 フッ素をみなおそう!
先日6歳の女の子が、乳歯が抜けずに後の永久歯が生えてきたとお母さんに連 れられて初めて来院しました。
歯科医院に来るのが初めてということもあってか、待合室で待っている時でも ぐずぐずいっていました。順番が来て診察室に呼び入れるともっと激しくぐずつ きます。
スタッフ総動員でやっこらさ診察台に乗せて口の中を見ますと、下顎の一番前 の永久歯が乳歯の内ら側に生えて来ていました。この子の場合はその乳歯を抜い てあげればあとの永久歯の生えるスペースもあるので、その歯が生えてくるにし たがって舌に押し出されて、きちっと並ぶでしょうからほとんど何の問題もあり ません。
ところで、こんなにぐずつく子ですから当然普段の歯磨きもうまくいっていな いはずです。普通ならむし歯がいっぱいでその治療でてこずらされるのですが、 すったものだの末やっとの思いで歯の検診をすませたのですが、口の中もそれ程 きれいに磨けているようにも見えませんが、一本もむし歯がありません。お母さ んを呼んでむし歯のない訳を詳しくお聞きしました。すると、その子のお父さん はアメリカ人で、アメリカからフルーツ味のフッ素の錠剤を取り寄せ毎日飲んで いるとのことです。何年か以前にこの”くりあー”にオーストラリアから来た子 供でお母さんが妊娠中から子供にむし歯ができないようにフッ素錠を飲んでむ し歯のなかった子のことを書いたことがありました、フッ素はやはり虫歯予防に は有効なようです。当院 スタッフの衛生士の中にも子供ができたらフッ素錠を飲ませたいとつぶやいて いる人がいましたが、今の日本ではフッ素錠はまだ解明されていない副作用があ るかもしれないということで、手に入りません。ですからフッ素を利用したい人 は、私が以前から指導しているように、フッ素入り歯磨きを利用するのが最も現 実的です。市販のフッ素入り歯磨きにはだいたい1000ppmのフッ素が入ってい て毎日の歯磨きに使えばほとんど何の弊害もなくむし歯予防の効果を得ること ができるはずです。それでも、フッ素は嫌だといわれる方はそれ以外の方法でむ し歯予防をすることも十分可能ですから頑張ってください。