No.106 歯磨き剤をみなおそう!
先日、私が所属している小児歯科専門医のスタディグループの会合にある歯磨 きメーカーが 、新しい歯磨き剤を開発するためのモニターの 依頼に来ました。 皆さんは毎日歯磨きしていて現在使っている歯磨き剤に満足していますか。ス
ーパーに行けば色々な歯磨き剤が並んでいてどれを選んでいいのか迷うほどで す。そのうえ、毎日毎日テレビのコマーシャルが流れていて、どれも本当によさ そうに思えることでしょう。
実際、一番よく売れるのはその時代の人たちのニーズにうまく合わせて、テレ ビで一番良さそうに上手に宣伝している物のようです。
私の診療所では現在市販されている物の中で 1フッ素含有量が高く虫歯予 防効果が期待できるもの、2フッ素含有量が高く、研磨剤が入っていて歯垢が取 れ易いもの、3歯垢を染め出す色素が入っていて奇麗に歯垢が取れたかどうかを 確かめながら磨けるもの、ということで、窓口で販売しています。
では、現在販売しているもので満足しているかといいますと決してそうではあ りません。
そこで、改めてこれから開発しようとしている子供向けの歯磨き剤に私たちは 何を期待しているかといいますと、1まず虫歯予防効果が十分期待できるフッ素 が配合されていること、2歯を磨いているときに無闇やたら唾液が出ないように 味を少し抑える、3磨けば磨くほど泡が出て歯磨き中に何回も吐き出さなくては ならない程発砲剤を入れない、4十分磨けてなくても磨けた気分になる程爽快感 を与えるペパーミントなどを入れない、5歯を充分磨けば歯に沈着した茶渋の様 な色素が取れる位の研磨剤の量に抑える、・・・。
ふだんあまり気にもかけずに使っている歯磨き剤ですがまだまだ改良の余地 があるようです。
毎日毎日使っている歯磨き剤ですから、虫歯予防、歯周病予防はもちろん、も っと積極的に、歯を白く奇麗にする、健康的なひきしまった歯肉にする、口臭を さわやかにするといったより健康的な歯磨き習慣にうまく組み込みたいもので す。