No.147 キシリトールの宣伝に惑わされないで!
先日、定期検診に来られた子で、また虫歯を作って来たので、お母さんとどう して虫歯ができたのか、最近の生活について少し伺いました。すると「最近、毎 日の夜の歯磨きの後、キシリトール入りのガムを噛ませているのにまた虫歯がで きましたか?」とのことでした。確かに、テレビの宣伝で「虫歯の少ないフィン ランドでは寝る前に子供たちはキシリトールガムを食べています。」の言葉の後 に、ベッドの中の子供に母親がガムを食べさせるシーンが映し出され、キシリト ール入りガムのコマーシャルが流れています。
8月号の”くりあー”で私は「お菓子好きの虫歯予防」というお話を書きまし た。
その中で、確かにキシリトールは虫歯の原因となる酸の発生はないと書きまし た。キシリトールだけを口にしたらそうかも知れません。しかし、実際は食べ物 に甘みを付けるための物であって、単身で食べることはほとんどないでしょう。
その上、甘味料としてキシリトールが100%使われているかどうかも問題で す。
キシリトールが2,30%であとは砂糖という具合だと寝ながら食べれば虫 歯を作っているようなものです。
虫歯予防のために、砂糖よりもキシリトールを使った物の方がいいでしょう。 しかし、せっかく夜の歯磨きの後お茶お水以外は口にしないというよい習慣が付 いているのにわざわざベッドの中でガムを噛む習慣に変える意義は何ひとつな いでしょう。