No.154 環境ホルモンの脅威
最近、環境ホルモンの話題が毎日のようにマスコミを賑わせています。
環境ホルモンとは、体内に入って、ホルモンのような働きをして、体内の機能 を撹乱する人工の化学物質の通称なのです。
ダイオキシンが最も有名な環境ホルモンの一つで、ゴミ焼却場からの排気ガス 中に含まれ、特に、塩化ビニールの温度管理を適切に焼却しないと発生するよう です。最近、大阪の能勢町のゴミ焼却場から高濃度のダイオキシンが放出されて いたことが大々的に報道されています。
ダイオキシンはあの恐ろしいサリンよりももっと恐ろしい物質らしいです。
そんな折、ビスフェノールAという環境ホルモンが歯科の充填物から検出され たとのニュースが海外から飛び込んできて、私もびっくりしました。
そこで、この物質について早速調べました。
ビスフェノールAはプラスチック製の哺乳瓶や食器などの原材料であり、暖め ると溶出する可能性があるといわれています。
このビスフェノールAは女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きをす るので、オスのメス化、精子の減少など、生殖器の発育・機能異常を引き起こす ことが確認されています。
さて、歯科材料にこのような物質が本当に含まれているのかどうかですが、現 在日本で市販されている材料には検出されていないということで、まずはひと安 心でした。
ひと昔前、水銀汚染の問題があり、現在ではコンポジットレジンという樹脂に とって変わりましたが、今度は環境ホルモンの問題が浮かび上がりました。今回 とりあえずは良かったものの、これからはもっと厳しくチェックし、子供たちを 守って行かねばならないと考えています。