No.156 環境ホルモンについて-パート2-
5月号に環境ホルモンについて記事を書きました。
その時点で、日本で市販されている歯科の材料には環境ホルモンは検出されて いない事を報告しました。
その後も、ほとんど毎日のように新聞などマスコミを通じて環境ホルモンの事 が報道されているためか、診療室内外で、当医院での歯科の材料は大丈夫かどう かの質問がいくつもありましたので、現在の考え方をお答えいたします。
政府は6月12日の閣議で、環境ホルモン問題について政府答弁書を了承しま した。
その中で、「環境ホルモンのひとつであるビスフェノールAは歯科材料のコン ポジットレジンやフィッシャーシーラントの原料にはなっていない」と指摘、 「歯科材料からのビスフェノールA溶出も認められない」としています。
現在、世界各国でこの事について調査研究が行われていますが、今のところ大 丈夫なようです。当医院では、もしも問題ありということにでもなれば大変なの で、代わりの材料についての研究を始めています。
ところで、30日まで東京で開かれている「内分泌かく乱物質をめぐる生活と 食の安全についての国際シンポジウム」で、うどんやラーメン、そばなど市販さ れている8種類のカップ麺に、麺と調味料を入れ、熱湯を注いで30分後に検査 した結果5種類の容器から環境ホルモンではないかと疑われている「スチレント リマー」が5-62ppbほど検出されたと、今日の夕刊にでています。29日、 業界団体はスチレントリマーには環境ホルモンとしての作用は認められないと いう調査結果を発表しています。
環境ホルモンについて今後益々論議される物と思われます。