No.157 現代食事情-遺伝子組み換え食品-
先日、小児歯科の研修会で遺伝子組み換え食品についての講演がありました。 普段から、最近の子供の食べ物について関心があるので興味をもって聴きまし
た。 一昨年、厚生省が遺伝子組み換えをした大豆、トウモロコシ、ジャガイモなど
を安全と認めたため、それらが従来からの作物に混じってアメリカなどから日本 に輸入されているのです。
もうすでにテレビなどで見られた方もおられると思いますが、虫が葉を食べる と死ぬような遺伝子を組み込んだトウモロコシが作られているのです。虫が付か ないので、奇麗に大きな実が一杯付いているのです。 生産者にとっては本当に 都合のよい品種かもしれませんが、虫が食べて死ぬようなものが、果たして人間 が食べて本当に安全なのでしょうか。 ある学者は、従来の自然交配による品種 改良と本質的には変わりはないと言っているのですが、本当にそうでしょうか。 遺伝子組み換え作物中には、組み込んだ遺伝子を持っていた細菌の遺伝子と、そ れが作り出す蛋白質が存在するのです。それが食品として本当に安全かどうかに ついては十分確認ができているとは思われません。
ひと昔前までは、農薬をたくさん使った輸入作物、輸送途中に虫などが付かな いように殺虫剤を混入した輸入作物が危ないなどといった事が問題になってい たのですが、最近は、もっと複雑になってきているのです。
遺伝子組み換えをした種を輸入して、日本で栽培して、それを国内産といって 販売しているものもあるのです。
現在、日本の食料の自給率は29%ぐらいだそうです。いくら注意しても私た ちが食べる食品の安全性は十分確保しきれませんが、それぞれのお宅でも、まず は品質表示を正確に理解して読み取るなど、知識を深め、少しでも安全を図って ほしいものです。