No.158 気をつけたい子供の不慮の事故
学校で休み時間に遊んでいて転んで前歯を打ってひびがいった、欠けた、歯肉 の中にめり込んだ、抜けたなど、口から血を流しながら急患で当院に駆け込んで 来られる子供が結構います。
子供が元気よく遊び、走り回るのはいいのですが、見ていてヒヤヒヤさせられ ます。 先日、新聞に出ていたので読まれた方もいると思いますが、日本は零歳 児の事故死亡率が先進15カ国の中で2番目に高いそうです。1~4歳でも6番 目に高いのです。
また、他の資料によりますと、1~4歳の子供の死亡原因の31.7%が、5~9 歳の子供の42.5%が事故によって亡くなっているのです。
事故死の内訳で多いものは、交通事故が53.4%、水死が11.9%、機械的窒息が 10.0%と続いています。
外での交通事故には日頃から、特に気を付けておられると思いますが、もう一 つ、水死のトップは水泳に行ってではなく、8割が風呂場で起こっているのです。 お風呂場は乳幼児にとって危険な場所と考える必要があります。
そして、歯科として特に気を付けていただきたいのは、異物誤飲、気管支異物 です。 気を付けてほしいことは
1)乳幼児は、手にしたものは何でも口に持っていく時期です。
2)畳や机の上など、子供の手の届く所に、口径32mm以下の大きさのものを置 かない。
3)部屋や身の回りのあと始末を心がける。
4)ジュースの缶を灰皿代わりに使ったり、びんなど飲み物の入っている容器に 食品以外のものを入れたりしない。
5)2歳までは、ピーナッツなどの豆類、ピーナッツを含んだ煎餅やチョコレー トは食べさせない。
6)上を向いて寝ているときや、歩きながらものを食べさせない。
7)小さな食べ物やおもちゃなどを放り上げて口で受けるような食べ方や遊び をさせない。
8)食事中に乳幼児がびっくりするようなことは避ける。 おうちの方はたいへんですが、子供が救急車のお世話にならないように気を付けてあげてください。