No.160 原始感覚を鍛えよう!!
最近のニュースで、毒物入り飲み物事件など,ぶっそうな世の中になったもの
です。 先日、外国へ旅行しました。現地のガイドの人が,「生水は絶対飲まないよう
に、当地では生水を飲む習慣はありません。」とのお達しです。 日本では、上水道は飲んでもよい、という事になっていますが、世界的には水
道水を生のまま飲めるところは珍しいのです。 私たち日本人は、最近、自分たちが飲んだり食べたりする物の安全性について
は、栄養とかエネルギーについては結構気にしているにもかかわらず、無頓着に なりすぎているように思います。
本来、人間も動物の仲間で、自分が食べる物に対して、腐っていないか、毒物 が混入していないか気をつけないと、いつなん時、痛い目に遭うか分からなかっ たのです。
何年も前になりますが、味覚についての検査をしたことがあります。味盲検査 といって苦い味のする試薬を含ませた紙片を舌でなめさせて、苦味を感じるかど うかを調べるのです。元来、苦い味がする物の中に毒物が多いので、人は、特に 苦味には敏感に反応して、食べないように防御していたのです。
しかし、文明が進展するにつれ、生の物を自分で採(獲)って食べることもなく なり、ほとんど安全に生活できるようになり、諸々の危険から身を守る感覚が鈍 って来ているようです。実際、数十%の人が味盲試験でひっかかっているのです。
最近のように、無差別、毒物混入事件などが頻発するようになると、やはり、 物を食べるときは慌てず、臭い、味、舌ざわりなど十分注意して飲んだり、食べ たりする習慣を付けないといけない時代が来たと考えるべきです。
また、逆に、そのようにすることによって、本当の味が味わえる人に育てて、 毒物から身を守ると同時に、食べ物の味の分かり、それこそ人生を味わい深いも のにすることになるのではないでしょうか。
人が本来持っている自然の原始感覚を鍛え、磨くことが大切だと思います。