No.163 いつも寝ぼけ眼で歯磨き
先日、10歳の女の子が治療に来ました。
もう何年も検診に来ている子です。年齢も高いだけでなく、家庭での日常の躾 もよいし、はきはきしたお嬢さんです。
しかし、来院の度に口の中が汚れているのをチェックされるのです。
治療に入る前に歯を磨くように指示し、染め出し液で赤く染めて磨いていただ きました。 しばらくして、治療の順番が来て、口の中を見るとけっこうきれい に磨けているのです。
きちっと磨けばできるのにどうしてなのかと思って、「あなたはしっかり者な のに、どうしていつも口の中が汚れていて、虫歯になってしまうの?」と尋ねま した。
すると、返事が返ってきました。
「きちっと磨けばできるけど、お家で歯を磨くときは、朝は朝で、起きたてで まだ眠たいので寝ぼけているし、夜は夜で、もう眠たいので寝ぼけている、歯磨 きする時はいつも寝ぼけたままで磨いているからきれいにならないし、虫歯にな ってしまう。」という事です。
眠い目をこすりながら、体がいうことが聞かない状態で歯を磨いている様子が 目に浮かびます。
夜の歯磨きは、寝る直前にするのではなく、その日の食べ物が終わりになった ら早速磨き、いつでも眠くなったら寝ることができるようにしておくのがいいよ うです。
朝の忙しい時間の歯磨きはどうしても雑になりがちです、ある程度は仕方のな いところもあるのですが少しでも余裕を持ってできるように習慣づけることで す。