No.165 めざましい医療技術の進歩
日本国中を巻き込んだ、脳死患者からの臓器移植でしたが、日本の移植技術も かなり安定して来たようで、それぞれの臓器は今のところうまくいっているよう です。
脳死判定にまつわるゴタゴタが尾を引いていますが、人の生死を相手にするの ですから、マニュアル通りにもう少し慎重に、間違いなくやって欲しいものです。
心臓、腎臓、肝臓など人の臓器の中で、重要でかつ大きく複雑なものはまだま だ移植という事になるのですが、もう少し小さくて単純なもの(単純といっても そう生やさしいものではありませんが)は、最近の医療技術の進歩で、再生が行 えるようになってきています。
以前に、歯が抜け落ちたとき、歯の根の部分を触ったりして傷つけないように、 できるだけ早く歯科医院に持ってきていただければ再植できますと書いたこと があります。
根の周りの歯根膜が生きていればかなり以前からも再植していたのです。
歯科の領域では、歯周病の治療に、歯根の周りのセメント質の再生法が開発さ れ、もう既にその方法で治療が行われています。
骨の再生では、小さなものですが、歯の周りの崩れた歯槽骨を再生させること は、かなり以前から行われていました。
最近では、顎の形をしたコラーゲンの枠に骨を再生させてしまうという事まで できるようです。
食道を切除した人に、プラスチックの管で切除した所をつなぎその周りにコラ ーゲンを巻き付け、食道の細胞を植え、増殖させて、食道そのものまで再生でき るということです。
さて、私のメインの虫歯治療についてはどうでしょうか。
ほんの最近まで、歯は一度虫歯で穴が開いたら二度と再生することは無いとい う事が常識だったのです。しかし、あながちそうでもない情況になってきました。
もう動物実験がなされているのですが、穴が開いた虫歯の所に、歯を再生させ るような薬と技術が開発されています。近い将来、そのような治療法が行えるよ うになるのは確実なようです。