先日、当院で定期健診を受けている19歳の女の子が、歯が痛いといって急患 で来院しました。
息をしても、歯に空気が触れて痛いということです。 口の中を見ますと、特にむし歯がある訳でもありません。 さすが、何年も定期健診を受けているだけはあって歯は綺麗に磨けています。 探針という先の尖った器具で、痛いという歯に触れると、飛び上がる程痛がり
ます。 よく見ると、その歯はツルンツルンに磨けている、いや、磨耗しているのです。 もっとよく見ると、上の奥歯3本が歯と歯肉の境目辺りから歯の側面にかけて
形が歪になっているのです。 ひどい所では1.5mm位擦り減っているのです。そこが知覚過敏になり非常に強
い痛みを訴えていたのです。 とりあえず、その擦り減った部分を何かでカバーし、外からの刺激から保護し
て上げる必要があります。 むし歯の時に詰める樹脂でカバーしてあげたいのですが、そのための処置その
ものでも痛みを訴えるので、その歯の周りを麻酔注射しました。 その歯の周りの歯肉などはかなり麻痺したのですが、擦り減った歯の部分だけ
はなかなか痛みは取りきれないのです。 知覚過敏というのは本当に敏感で痛みはなかなか無くなりません。少し我慢し
てもらって、苦労して樹脂でカバーしました。 そして、彼女に聞いたのですが、歯と歯肉の境目辺りにむし歯らしいものを見
つけたので、叱られないように、それから毎日一生懸命歯磨きをしたというので す。もう少し詳しく聞くと、毎日、何回も歯磨剤をたっぷり付けて、30分以上 おもいっきり力を入れて磨き、見つけたむし歯らしきものは磨き消したと言うこ とです。
彼女は現在矯正治療中で、むし歯に気を付け、歯並びが綺麗に治るように頑張 っている、芸能界を目指す若者なのです。
「芸能人は歯が命」というキャッチフレーズにかなり影響されたようです。
歯磨き剤を付けてのブラッシングは横磨きで同じ所をゴシゴシやり過ぎない ように気を付けて欲しいものです。
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