2003年10月 No.177 保険にかかりつけ歯科医機能が導入されました
平成 12 年度の医療保険改正でかかりつけ歯科医の制度が導入されました.
これまでの保険制度の下でもホームドクター、主治医などと称して、大橋小 児歯科医院をそのように考えておられた方も多いのですが,それは,小児の歯 科治療の技術が優れているだけではなく,治療のアフターケアをきっちりする こと,そのための定期健診,予防教育を充実させることを心がけてきたことを ご理解していただいての事だと思います.しかし、はっきりと契約を結んだわ けでもなく,制度として確立したものでもありませんでした。
そもそも医療保険制度は疾病治療給付といってこれまで病気を治していくら、 といった大前提があったのです.
しかし,病気になってから治すといった後追いばかりをしていても一向に埒 があかないばかりではなく,少子高齢化時代お金が持たなくなり,やっと予防 に目が向けられるようになったと言うことだと思います.
今回導入された、かかりつけ歯科医機能とは実際その制度が動いてみないと うまく機能するのかはっきりとは分からないのですが、1「健全な顎・口腔機能 の育成と保持・増進による QOL の向上を目的として,生涯にわたって,継続し て,家族単位に予防管理中心の歯科サービスを提供する機能」2自院に来る患 者さんのみならず,地域的な広がりのなかで予防管理機能を果たすことが求め られています.1 歳半児健診,3 歳児健診など地域口腔保健活動で,本人,家 族が気づいていない虫歯などに対するリスクをスクリーニングし,かかりつけ 歯科医による歯科サービスにつなげるのです.従来と違うのは「早期発見・早期 治療」ではなく,「早期発見・早期管理」の概念で対処するのです.すなわち, 疾患を早期発見するのではなく,疾患に罹患する危険性を早期に把握し,適切 に対応を指示することが重要なのです.
かかりつけ歯科医制度への期待は大きいのでうまく機能させたいものです.