2003年11月 No.178 2 歳半児健診に出かけて
先日、保健センターへ 2 歳半児の歯科健診に出かけました。
2 歳半児といえば、早い子は乳歯が全部頭を出し、そろそろ乳歯列が完成する 頃です。
ほとんどの子は乳歯の一番後ろの第 2 乳臼歯が生え始めた頃です。
この頃になると、かなり成長が進んで、もう本当の赤ちゃんとは言い難くな っています。
しかし、まだ足元はそれ程しっかりとしていないし、お話も分かっていそうで, まだまだ分からない年頃なのです。
ほとんどのお母さんは,なかなか思うように子供の口の手入れができない のでむし歯になってはいないかと心配して健診に来られます。
最近では、子供の健康に関心のあるご家庭では、さすがほとんどむし歯は見 当たりません。
その日も,31人中もともと歯の出来具合の悪い形成不全の 1 人と上の前歯 の間に小さな点状のむし歯の子が1人いただけでした。
それにひきかえ,目に付いたのは歯を噛み合わせた時、前歯が上下きちっと当 たらずすいている子(開口)でした。それがなんと 31名中8名もいたのです。
その大半は指しゃぶりが原因だったのです。
小児歯科で指しゃぶりの指導では,3歳までに止めればいい、それ位に止め てくれれば普通は何とか元の口に自然に戻ると考えています。 しかし、一旦ついた習慣を止めるのは非常に難しいものです.
できるだけ早いうちに、指しゃぶりよりも安心でき、気持ちの良い他のものに 置き換えてあげたいものです。
その子の大好きなキャラクターや動物のぬいぐるみを持たせたり、人形と一 緒に寝かせたりして、自然な形で止めさせたいものです。
3歳を超えると悪習慣も強固になるし、口の形も大きく変わってしまい、歯 と歯の間に下唇が入り込んで、たとえ指しゃぶりを止めても元には戻らなくな ってしまいます。
このようにして不正咬合、矯正患者予備軍が作られていくのです。