先日、診療中突然携帯電話の着信メロデイーが鳴りだしました。治療を受け ている子がびっくりして携帯電話の発信者を確認してスイッチを切りました。 いままで付き添いのお母さんに携帯電話が架かりすまなさそうに慌てて電話 に出ることは何回かありましたが、治療中の子供に架かってきたことはありま
せんでした。 それもまだ小学生低学年です。ほんのひと昔前まではこの年齢の子は、まだ
時計を読むことができないので紙に時計の絵を書いたおもちゃの腕時計を着け ていたものです。
今では、3 歳でデジタルの腕時計を着けて何時何分と読むことができる子ま でいます。幼稚園児になるともう診療台に上がって 15 分も待たされたなどと うそぶいています。
中には最新式のデジタルステレオウオークマンを聞いている子もいます。ち ょっとヘッドホンを両耳に当ててみましたが実によいサウンドではありません か。
今の子供たちは本当に小さい時からこれら本物の機械を身に着け、それがあ たりまえのように生活していますが、はたして、このままでよいのでしょうか。 実際は難しいのですが、それら便利な機械ができて来た歴史を少しでも噛み
しめながら使いこなしてゆく事が必要なのです。 今いる子供たちは人類の進化の最先端にいるのですが、受精して数年のうち
にきちっと動物の進化の過程を辿ってここまで成長して来たのです。 それにしても時代の移り変わりが早いのでじっくり考えているとついて行け
ないという声が聞こえてきそうです。 生活の基本となることだけでもじっくり繰り返し、繰り返し教えてあげたい
ものです。今それ程焦る事はありません。 わけも分からない小さな子供に,わけも分からない機械を与えるのは控えた
いものです。子供の成長に沿ったおもちゃを吟味して与えるようにしましょう。
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