2004年1月 No.180 気をつけたい子どもの姿勢
6月の末,札幌で小児歯科学会があり出席しました・ そこで子供の顎関節症についての講演がありました。 これまでにも何回かこの“くりあー”で顎関節症について書きましたが,
1 顎を動かせるとコリ!コリ!関節に雑音がする。
2顎を動かせると痛い。
3口が十分開かない。といった症状の病気です。 その時のお話では,最近子どもの顎関節症が増える傾向にあり,その背景に
は歯ごたえのある食べ物が少ない食習慣や、肘をついたりする姿勢の悪さと並 んで,乳幼児期からの唇や舌などの発達が大きく関係していると言うことでし た。
特に私の興味を引いたのは,小学生の高学年になると額関節症が増えるのは, ランドセルから手持ちのかばんに切り替わる時期に一致することでした。
体の片一方に力がかかり,筋肉の負担のアンバランスがその原因だというの です。下の顎は,頭の骨から筋肉によって吊り下げられているようなものです から左右の筋肉のアンバランスの影響を受けるのです。
これは赤ちゃんをおんぶしているお母さんに比べ、抱っこしているお母さん に顎関節症が多いのと同じ理屈です。
また,最近テレビゲームで,前かがみの変な姿勢が原因と考えられる顎関節 症が小さな子どもに見られるようです。
各家庭でのテレビを見る状況を調べて下さい。寝そべったり,肘をついたり など実に変な格好で見ている子どもが多く,また,その時間が結構長いので影 響は大きいということです。
最近街でよく見かける若者のジベタリアン,彼らを顎関節症が襲っているよ うです。
これら,日常生活での姿勢の悪さの背景には体の筋力の低下も関係している ようです。
しゃきっと二本足でバランスよく立てるようになりたいものです。