2004年10月 No.189　歯を丈夫で健康にするガム

子どもが喜ぶおやつのトップがガムです。
このガムをめぐって本当に色々なことが議論されてきました。
それはガムがむし歯の大きな原因となっていたからです。
私は以前にこの“くりあー”に虫歯の原因とならない甘味料を用いたガムが発売されたけれども、信頼のおけるガムはまだ少なく、子どもに混乱を起こさせると書きました。実際、むし歯を作らないと宣伝しているのに、むし歯を作らない甘味料をほんの少し使っているだけのものなどが氾濫していたのです。また、日本ではクチャ､クチャ口を動かせているのは行儀の上でもあまりいただけませんと書きました。
ところで､最近､むし歯の原因にならないだけではなく､むしろ本当に初期のむし歯(歯の表面が白く白濁している)を元に戻す、再石灰化を促進させるというものが出てきたのです。
昨年(2000 年)には特定保健用食品の許可を厚生労働大臣から取得したのです。
特定保健用食品とはむし歯になりにくい食品とか、おなかの調子を整えてくれるなどの働きをする成分を含む事が人で科学的に確かめられ、その効果を表示してもよいと、厚生労働大臣が許可した食品の事です。
私も実際に実物を手に入れ、自分で試して見ると同時に、文献なども検討しましたが、今回のものは今のところよさそうに思われます。
これまでガムはできるだけ食べないように指導してきましたが、これからは安全なものを吟味してお知らせし、できれば診療所でも手に入るようにしようと検討中です。
この新しいガムが宣伝通りにむし歯の原因にならなければ、子どもたちの永年の希望が叶えられ、その喜びは大きいと思います。
いずれにしても、どんなに良い物でも使い方によっては問題が出てくる事は確かなのです。