2004年12月 No.191 望まれる親子ぐるみの対応
5月16,17,18 日と小児歯科の学会が大阪であり,出席しました。
展示発表の中で面白かったものの中に親子歯科検診事業についてのものがありました。
高石市でも1 歳半児,2 歳児,3歳半児検診と保健センターで実施され,その中で歯科の健診も行われています。
母子保健事業とはいうものの,実際には子供だけの健診,指導のみです。
今回の発表では,この時に親も一緒に歯科検診するのです。
実際,公的な健診事業の中でこれらの子供を持つ親である20~40 歳の方の歯科保健事業は政策的に放置されて来ていたのです。
現実に,この年代の親御さんは歯周疾患が進む時期であるにもかかわらず、どれだけの方が歯科の健診を定期的に受けておられるでしょうか?
むし歯などで待ったなしの歯科治療を受ける事はあっても、じっくり歯周健診などを受ける事は非常に少ないのではと思われます。
虫歯菌の母子感染などの問題を考えても子供だけの健診,指導だけではやはり片手落ちです。
特に,この年代の親御さんは,ご自分の子供時代,非常に虫歯のひどかった方たちです。自分自身の口の中の方が問題だという向きも多いのではないかと思われます。
子供たちの口の中を健全に維持するためにも親子で,家族ぐるみで口腔衛生状態の向上を図る必要がありそうです。
私は、発表のあった親子歯科健診事業は母子相互の口腔保健の維持,増進に効果的であったという報告を見て,改めて考えさせられた次第です。
大橋小児歯科でも今まで親御さんが自分も健診して欲しいと言う希望があったのですが,とりあえず子供,子供という事で応えられなかったのですが,子供のみの健診から親子ぐるみで対応ができるように考える時期が来たように思えるのです。