2005年6月 No.197 気になる口臭
先日大阪の小児歯科専門医の研修会がありました。今回の研修会担当としてお世話をしたのですが、その日の特別講演に「口臭治療最前線」というタイトルでお話をしていただきました。
口臭の治療は、歯の漂白、インプラントなどと並んで現在、歯科の中で最も注目されている分野なのです。
講演をお願いした先生の略歴や活動状況の下調べのつもりでホームページを開いたのですが、さすが注目の分野だけあって個人の医院が開いたホームページなのですが50 万人もの人がアクセスしているのです。
診療予約も来年上期は既に満員で締め切られている状態です。
さて、当日の講演ですが,口臭の中でもむし歯や歯周病,口の中の不潔など原因がはっきりしているもの(他臭症)はその原因を取り除いたら解決するということで何も難しいことはないということでした。
普段、診療室で歯磨きをしていないので口が臭いなんていうのは口臭治療の範囲には入らないものなのです。
口臭を専門に扱っている医院の治療の対象者は、他覚的口臭+自覚的口臭や自覚的口臭(自臭症)などで緊張(不安)などが原因で自律神経の失調が起こり、①舌運動の停止、②唾液分泌の停止、③口腔内の容積の減少などが起き、そのために唾液が嫌気的状況になり細菌が繁殖し自臭(鼻臭)を感じるようになり、それが他の人に感じる(他臭)に繋がって行くというような、精神的、心理学的な原因で起きる厄介なもののようです。
子どもの口臭については、何でもよく噛み、元気であること、すなわち口腔生理機能が正常であることが、いい息、無臭へと繋がっているということです。
学童期の子どもに対する無責任な口臭の指摘が子どもの精神的ストレスとなり自臭症の原因となるようです。