2006年10月 No.213 舌の上に地図状の模様が!!
先日 4 歳の女の子のお母さんから、舌に白い模様ができヒリヒリ痛がります が何か悪い病気ではないかと心配ですと尋ねられました。
その子に大きなお口を開けてベロを出してごらんといって見てみますとそれ は地図状舌でした。
地図状舌とは、舌の表面に淡紅色の不規則で境界がはっきりした灰色にふち どられた平坦なところがあるもので、全体的に舌の表面に地図を描いたように 見えるものをいいます。地図のような模様は日々変化します。
地図状舌は良性で、全く健康な子どもにも(約1~6%)普通に見られます。 原因は未だよく分かっていません。 最も一般的な原因としてはビタミンB群の長期的な欠乏、身体的、情緒的な
強いストレスがあげられています。 長い間重い病気にかかっていた人、あるいは健康な人がたいへん大きなスト
レスに襲われたときに発症することがあります。 精神的なストレスで悪化することがあります。小さい子供に多く、また、女
性に多いといわれます。病的な意義はあまりありません。 病虚弱児に多く、アレルギーとの関わりも考えられます。 では地図状舌の対応はどのようにすればいいのかといいますと、多くは無症
状ですが、時にこの子のように刺激痛がみられることもあります。そうした場 合には、含嗽薬や軟膏を処方します。
食事摂取に影響しないので、特に治療する必要はありませんが、甚だしい場 合、長く続く場合は対処する必要があります。ストレスの程度と地図状舌の形 はほぼ平行することが多いので、まずストレスの原因を突き止めることが必要 です。 食事療法としては、乳酸菌を多くとってロ腔内と腸内の有用菌をふやすように し、ビタミンB群のすべてが摂取できるよう食事に配慮します。
口の中には未だに解明されていないいろいろな症状があるのです。