2007年7月 No.222 気をつけたい乳幼児のケガ
昨年の暮れ2歳の赤ちゃんが転んで舌を怪我して急患として来院しました。 どんな形で転んだのか不思議ですが、上の歯で噛み、舌の真ん中を横に3cm程 の裂傷で,動脈にまで達していました。食事の時などに誤って舌を噛んでしまっ たという経験はどなたにもよくある事で、ほんの小さな咬傷でもかなり痛いもの
です。 早く痛みを抑えて上げるため麻酔注射をしてやろうとしても、泣き叫ぶ上に口
は開けてくれないし、舌からは出血がありあまり良く見えない。やっとの思いで 口を開けるブロックを噛ませても舌が動いてなかなか注射針が目的の部位には 打てないと大変でした。
何とかパクッと開いた傷口を縫合すると出血も大半無くなりほっとしたもの です。
舌など口の中の軟組織はそうですが次の日に洗浄に来られた時には傷口も塞 がり、腫れも殆どなく、その後お家では痛がらなかったということで一安心でし た。子どもは前の日の大騒ぎとは打って変わってケロッとしていました。
それにしても、昨年は結構子どもの歯と口のケガが多かったのです。歯を打っ て欠けたり動揺したり、陥没、脱落とさまざまでした。
子どもは元気に走り回るのが当たり前で、しょっちゅう転んでは何ともなく立 ち上がりまた元気に走り回っているものです。 しかし、どうも最近の子どもは 転んだ時の咄嗟の対応がうまくできないように思えてなりません。普段の機敏性 に欠ける生活様式は過保護が原因などといわれますが、危険防止の訓練は日ごろ から心がけたいものです。
-院長-